XU7ACD Report 11

アンコールでのご来光
 2003年の初日は世界遺産にも登録されているアンコール・ワットで拝んだ。 初日を拝むというのは日本人特有の習慣なのか, 一緒に初日の出を待ちわびている人たちの多くは日本人であった。 やはり「日出ずる国」の民族だからだろうか?

アンコールワットで拝む2003年の初日
 アンコール・ワットに代表される遺跡群はカンボディア西部に位置し,タイ国境のアランヤプラテートから東に 150km, カンボディアの首都プノンペンから北西に 250km のところにある。 最寄りの街 Siam Reap の北方に拡がる遺跡や寺院の跡は,東西 20km,南北 10km の範囲に数多く位置している。  この遺跡群は9世紀〜15世紀初頭に反映したアンコール王朝が建立したもので,建築様式は一般的にクメール様式と呼ばれている。 12世紀後半になるとその勢力は, インドシナ半島の大部分を占めるまでに拡大した。 現在でもタイ国内で,このクメール様式の寺院や遺跡を多く見ることができるのは,アンコール王朝繁栄の証しである。

 アンコール・ワットはこの遺跡群のひとつであるが,1860年にフランス人アンリ・ムオに見つけ出されるまでは長い間密林の中に隠れていた寺院。 東西1.5km, 南北1.3kmの堀に囲まれた壮大なアンコール・ワットは,生涯一度でも必見の価値はあるものだろう。

広大なクメールの大地
 2003年の XU7ACD の運用までに,もう一度カンボディアの地を踏みしめた。 カンボディア北部のプリア・ヴィヘア(タイ語では「カオ・プラ・ヴィハン」)を訪れる機会に恵まれたのである。

プリア・ヴィヘア(カオ・プラ・ヴィハン)から望むカンボディアの雄大な眺め
(大地の色が濃い部分は雲の陰)

 プリア・ヴィヘアは9世紀末に建立されたもので,現在のカンボディア〜タイ国境にあるダンレック山地の斜面を利用した山岳寺院。 地理的にはカンボディア領内にあるが, カンボディア側から見ると標高 657m の断崖絶壁の頂に建っているので,実質的にはタイ側からしか行くことができないという奇妙な遺跡である。

 タイ側から入れるとはいえ,カンボディア内戦の時代にはポル・ポト派が陣を張っていて,とても立ち入ることができなかったこの遺跡,開放されるようになったのは1998年以降らしい。  タイ側から入っていくと形ばかりの国境はあるが,パスポートのチェックなどは無く,入場料さえ払えば頂に聳えるプリア・ヴィヘアに登ることができる。 しかし,内戦の後遺症は今も残っており, あちこちに「地雷注意」の注意標識がある。 道外れにはまだ多くの地雷が眠っているようである。

 結構急な坂道を登り尽くすと,そこに現れたのは山の頂から望む広大なカンボディアの大平原! すごい,心洗われる景色である。 この日は天気も良く気象状態も良かったのか, この地から 100km ほど南南西に位置するプノン・クレーン〜アンコール遺跡群の外れにある標高 388m の山で,王朝の聖山とされている〜をも見ることができた。

 2002年最後の夕陽を見送ったプノン・バケンの丘といい,このプリア・ヴィヘアといい,見渡す限りの大地が眼下に広がるこんなロケーションで,思いっきり電波が出せたら...と思うのは, やはり尋常じゃないのだろうか?

XU7ACD 2003 始動
 こうしてカンボディアの大地に吸い寄せられるように,景色のいいところばかりを彷徨い歩いてきたが, さて,肝心の XU7ACD の運用はというと...

 昨年運用した際に Lim さんにお願いした免許は,約束どおりバンコクに届いた。 タイでの仕事もどうやら来年 (2004年)まで延びそうな雰囲気である。 とはいえ「いつでも運用できるわい!」と思っていると, 結局何もしないまま日本への帰国命令が出るってなこともよくあることで,そろそろ 2003年の運用計画を立てる時期となった。

 コンテスト好きの私としては,どこかのコンテスト〜特に All Asian や JIDX など〜に合わせて運用したかったのだが,家族や仕事とのマッチングがうまくとれない。 XU のシャックの空き状況を米塚さんに尋ねると, 「コンテストじゃない方が,いろんなモードに出れるので面白く呼ばれるのでは?」とのアドバイス。 ウ〜ム,どうするかなぁ... そういえば,昨年は全て SSB での運用だったので,CW では1局も QSO していない。


バンコクのカンボディア大使館

 パドルはもとより,エレキーなんてのもバンコクには持ち込んでいないので,まずは CW 関係の機材の調達。 タイの無線仲間で,ミーティングなどでも毎回会っている Winit : HS1CKC にエレキーとパドルの貸し出しを頼んでみる。  また,せっかくパソコンを持ち込むので Zlog と連動の CW インターフェイスの発送を,鹿児島でお世話になった JK6SEW:久保さんにお願いしてみた。 Winit からはベンチャーのパドルに小型のキーヤーを快く提供戴き, 久保さんからも USB 端子に繋ぐだけでリグをキーイングできる USBIF4CW のインターフェイスが送られてきた。 今回の運用の QSL マネージャも JH6QIL:楠本さんにお願いし,快く引き受けて戴けた。

 さて運用の日程や如何に。 昨年 QRV した CQ WW SSB コンテストは Jaak : ES1FB / XU7ACE が運用するというのでシャックの利用を外し,メジャーコンテストに重ならない 10月3〜6日に運用の照準を定めて準備に入った。

 今回は空港での入国手続き時間を短縮するため,バンコクのカンボディア大使館で入国 Visa を取ることとし,9月下旬に申請と取得を済ませる。 手許にリグはないが,CW はうまくキーイングできるだろう... 甘い期待を胸に(?!)準備を着々と進めていったのである。


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